柴犬チャーとアメショー共同生活

柴犬チャーと、アメリカンショートヘアしょう太の、気ままな日常をお伝えします。

ありがとうボス。またいつかね!!

 

tyatosyouta.hatenablog.com

 

ある日、親分から1本の電話を受け取る。

仕事の依頼かと思ったら、そうじゃなかった。

仕事(本業)も入っていたけど、急遽休むことを告げ

パパにだけ電話をかけて、急いで車を出す。

 

個室の病室に横たわっている人の姿を見ても

まだ、頭も気持ちも追いついていかない。

隅の方から、ゴメン。と親分。

 

お客さんや、私達に

ボスは実家が大変で帰ってる。

と、嘘をついていた。

癌だと知りつつ、私達には1年もの間笑顔で隠し通していた。

本人の意向なのだろう。

ママにも、本当は亡くなってから連絡する予定だったらしい。

けどそれって・・・

 

一番辛かったの、本人じゃ無くてあんただよ親分。

叫びたかったけど

たった一言

良く一人で、ここまで頑張ったね。

泣き崩れた親分。

辛いよ。助けて。

そう私達に言えたら、どんなに楽だったろう。

もしかしたら、本当はSOSを発していたのかも知れない。

鈍感な私たちが気付かなかっただけで・・・

気付いてあげれなくてゴメン。

これ以上、言葉が出てこなかった。

 

トイレに行くから、手を握っててあげてと

親分に言われるがまま、手を握る。

看護師さんが見回りに来て

意識はもう無いけど、お願いします。と言われた。

そ~か・・・じゃいいか。。。

嘘つきと言ってみた。

目が合った???

意識無いって言ったよね???

手に力が入った。まだ握力がある。

何か言いたそうな顔してる。察した・・・

親分の事だろう。

大丈夫。親分には仲間がいっぱい付いてるから!!

そう思い、笑顔でお別れしようと決めた矢先。

ふと・・・

心配しないで。チョビ太の事は任せて!!

何故か、この言葉を口に出してしまった。

えっ???そっち!!

そんな目をして、ふと笑った気がする。

そのまま、ボスは気を失った。

しまった・・・最後にかけた言葉がこれか。

我ながらヤバいと思った。

他にいくらでも言葉はあったのに・・・

ただ、この短時間でも、あの子がここに来た理由が

聞かずとも分かった。

 

tyatosyouta.hatenablog.com

 

だからこそ、出てしまった言葉だった気もする。

実は、こんな話、親分にもパパにも言ってなかったように思う。

懐かしくなってつい、7年経ってこんな場所で

投下してしまった。

いや、言えなかった。

あの場で、まだ意識あるよ。

目が合った~なんて・・・

ましてや、最後にチョビ太の話など。

そのまま、意識が戻ることは無く

旅立ってしまったボス。

誰に連絡したらいい?

我に返る親分。

そこで、受け取ったのは、ママ達が教わった

ダイビングの師匠の連絡先。

そうだった・・・この人に頼れば後は何とかなる。

すぐに来て下さい。

どこにいたかは不明だけれど

15分位でにすぐ来た!!

地元の漁師さんもいてくれて、後は葬儀やら何から何まで

おじい達が全て裏で動いてくれた。

もうここからは、全て託してママ達は

ずっとボスの側にいた。

遠方だったにも関わらず、ボスのご家族も辿り着いていた。

ママは、

ダイビングでお世話になっておりました。

特に犬がなついてしまって・・・

と挨拶を交わしていると

ボスの妹さんは。。。

あ~昔、柴犬飼ってたしね~

さらっと出た一言に

初耳なんですけど・・・

知らねーし・・・

女2人の低~い声が響く。

 

ボスのイメージからかけ離れた、

サバサバタイプの女子だった。

更に、妹さんからの秘話が続く。

例え意識を取り戻していても

ママだったら絶対、ここで目は開きたくない。

そんなこんなで、やけに明るい病室内。

更に輪をかける人物、子分登場!!

この人がまた、某大学病院のドクター。

国家試験の勉強をしつつ、ダイビングの

インストラクターを長年やっていた・・・

その子分・・・一報を聞いて駆けつけてやって来たのは

すぐ分かったが、格好が。。。

大学病院のユニフォーム姿で入ってきた。。。

おじい達は、なんか羽織っとけ、脱いどけやら騒いでいるが

当の本人は、顔を見に来ただけ、すぐ帰るから。と

全く気にしていない!!

担当の看護師さんは承知していただろうけど

ここは、田舎の市立病院。

ケンカでも売りに来たのかと思われても仕方ない

 

阿鼻叫喚の病室内。

以前、自分の母が亡くなった時とは真逆の状態。

でも、何かそれで良かった気もする。

 

病室から、場所を式典に移動。

この頃から、仕事を終えた男達が都内から駆けつけてきた。

パパも・・・

久し振りに見る、顔ぶれ。

いや、こんな時にしか集まれない顔が揃う。

勿論、御年75近い師匠に至っても同様。

通夜も、おじい達の手によりスムーズに進む。

ママは、受付で師匠達と一緒にいたが、人が多い!!

昨日、訃報が送られたというのに。

沖縄から来た方達もいてビックリした。

 

もう既に狭い式場には入りきれていない。

そこまでは、おじい達も計算外だったろう。

 

そして・・・海に集う仲間は男女問わず酒が強い!!

漁師さんは、何となく分かるけど

ダイビングチームも負けてない・・・

通夜振る舞いという名の、宴会が始まる。

中には、泊まる宿も無いという強者も数人いた。

地元の漁師さんの顔もあり、言いにくかったろうが

流石に式場の方も「ここら辺で。」締めに掛かった。

 

その後、皆様がどこに消えていったかは謎。

ママ達は親分と告別式の段取りを決めて解散。

告別式には参加出来なかった

チャーとチョビ太も

ママ達が先回りして、火葬場でボスの到着を待つ。

前日の打ち合わせ通り。

最後のお別れをさせてあげたいと

親分の意思をくんでのこと。

 

でもね。。。多分犬たちには分からないよ。。。

 

今でも、ボスに言いたいことがある!!

なんでチャーに、お別れを言ってあげなかったのか

それが、伝わらないとしても。。。

ホントにあなたの事、好きだったんだから。

 

tyatosyouta.hatenablog.com

 

だから、チャーがそっちに行った時はまたいっぱい

遊んでね。

チャーを可愛がってくれて、本当にありがとう!!

今でも最後の約束守ってるよ。

あなたがしてくれたように、

ママも、チョビ太をいっぱい可愛がってるよ。

またいつかみんなと、あの場所でパーティしよう!!

 

tyatosyouta.hatenablog.com

 

       2016年9月