看板犬失格な日々
生後約1年半のチャーには、まだ早すぎた。
この頃のチャーは、遊び盛り真っ只中。
大人しくなど、していられるはずもなかった。
この日は、講習のお客様がいらっしゃっていた。
ダイビングの講習というと潜ってばかりのイメージを持たれる方も
多いと思うが、実は、半分が講義。そして半分が実習となる。
お勉強中の邪魔にならぬよう、チャーは室内禁止。
ママは、離れたところで午後に使う実習の準備。
この日は、ボスが先生をしていた。
チャー係は親分。
親分は、仕事を忘れ、チャーと遊ぶことに専念していた。
しかし中から、ボスの声が聞こえてくる。
チャーには、何故入れてもらえないか、分かってない。
一回講義が始まってしまえば、ボスは2時間は出てこれない。
メスのチャー。
実は、女性よりも、男性好きだった。
家にいるときは、もっぱらパパの側から離れないチャー。
切ないけれど、一番可愛がってくれる親分よりも、
ボスが好き♡
必死に目力で訴え続けるチャー。
しかし、思いは届かない。
いよいよ、窓ガラスを引っ掻きだす!!
これには溜まらず、窓を開けてしまうボス。
講習しながら、ひたすらあやしている始末・・・
この惨状に気付き、慌ててリードを引くママ。
しかし、ボスから離れようとしないチャー。
ひたすら謝り続けていると、
「ここにいた方が大人しいからいいよ。」と楽観的なボス。
「癒されるから全然構わないですよ。」などと
優しすぎるお客様方・・・
そう、ここに集うお客様は、本当に温かい方ばかりだった。
こんな、どうしようもないチャーと、
いっぱい遊んで下さっていた。
ママは今でも、本当に感謝しています。
お仕事が終わると、みんなでチャータイム。
しかし、我儘なチャーはこの時、気付いてしまったのだ。
お客様がいる間は、構ってもらえないが、
帰ってしまえば、ボスを独占できることに!!
この頃、チャーはお客様がいると不機嫌になっていた。
ボスとずっといたくて、仕方がなかったらしい。
癒し係としては、成功しているが、
看板犬としては完全にOUTだった!!
ママは、本当に困り果てていた。
もう、連れてきたくない・・・と言うママに
ボスと親分は猛反対!!
なので、ダメ犬チャーの、看板犬としての日々は続く。
あんまり、迷惑掛けたらだめニャ!!
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