また元気になれると信じて!!
昨日からの続きです。
口腔癌と診断されたショー先輩。
先生は、顔を曇らせ、
「これはもう、大学病院しか無理だ・・・」
そう、告げられてしまった。
ここから一番近い大学病院は
神奈川県の藤沢にある、日大病院。
渋滞がなくても、1時間では微妙な距離。
運悪く、時は夏休み寸前。
真夏の藤沢とは・・・朝から海へ行く車で大渋滞。
車嫌いで、しかも1週間前に手術したばかり。
確実に弱っている先輩を、連れて行けるのだろうか?
ましてや、再度麻酔を打たれたら、次こそ戻ってこないのでは
ないのか?
取り敢えずこの日は、いつも通り抗生剤を投与し
飲み薬を貰い、帰宅してきた。
一年前の夏も同じような姿で寝ていた二匹。
違うのは、痩せてしまった先輩だけ。
病院の匂いをつけて帰って来る先輩を
いつも不思議そうな顔で見ていたチャー。
二人でよく話し合った。
ショー先輩の為に、出来ることは何か?
何が一番最善策なのか?
結果、二人の意見は一致していた。
近い病院で診てもらおう!!
真夏の長時間ドライブは、先輩にとって非常に危険である事。
万が一、病院から電話が入っても、時間によっては2時間で着くかも
分からない事。
そして、やはりもう手術は、無理だろうという事。
次の日も、抗生剤投与の為、先生に行き私達の考えを伝えた。
先生は、
「薬でどこまで改善出来るか、やれるだけ、やってみましょう。」
と言ってくれた。
宜しくお願いします。と頭を下げる二人。
もしかしたら、薬で良くなるかも知れない。
ど素人二人は、淡い期待を抱いていた。
ここから、ショー先輩と癌との闘いが始まった。
毎日、必ず抗生剤の為、先生に通わなければならない。
勿論、家でも投薬を欠かせない。
「大変なら、入院して下さい。」と言ってくれたが
ママは、手放せなかった。
車嫌いな先輩に、負担をかけてしまっていたのは
分かっていたが、少しでも家で、ゆっくり休ませてあげたかった。
多分、病院が好きなネコなんて、そうそういないと思う。
暫く、ダイビングをお休みしていたママ。
こんな状況を察してか、
「チャー預かるよ。」
と言ってくれた、親分。ただ単に、チャーがいなくて
つまらなかった、だけかも知れないが・・・
お言葉に甘えて、あまり混んでなさそうな日は昼間だけ
預けるようにしていた。
どうしても、先輩にかかりきりになってしまうママ。
また、少しでも静かに寝かしてあげたかったので、
この頃は、家で遊べなくなって、しまっていた。
しかし、こんな状況ですら束の間。
通院していたのも、約2週間弱だった。
ある日、突然腫瘍が破裂し、
血が吐き出せず、倒れこんでしまった先輩。
ママは泣きながら震えて、動けなかった。
完全にパニック状態。
先にバスタオルを、持って走ってきたのはパパだった。
普通はこんな時、女性の方が強いはずなのに
我が家はパパの方が冷静だった。
すぐに病院へ向かう。
一命は取り留めたが、勿論入院になってしまった。
この日から、入退院を繰り返すようになってしまった、先輩。
続きは、また明日書きます。
読んで頂いて有り難うございます。